『同情して来てくれたの?』


「同情なんかしないから。」



私の横に座りながら言った。



「むしろ兄貴の彼女が帰ってきて安心した。美琴と一緒に祭にいなくてよかった。」




私の失恋を笑いに来たんだ…。



「俺は美琴がマジで好きだから…兄貴に渡したくなかったから!」



頭をかきながら言う神楽を少し可愛いと思ってしまった。



「俺じゃ兄貴の代わりは無理かな?」



そんな子犬みたいな瞳で見ないでよ。



私は…たった今味わった失恋の傷を神楽に癒してもらう気はない。



だけど………



俊介先輩がすごく好きだったから傷が深いの。



誰かに甘えたくなる。



私はやっぱりわがままだから。