『私…すっごく楽しみにして』

「俊介、誰と電話してるの?」



電話の奥で女の人の声がした。



「ごめん…埋め合わせはちゃんとするから。」




『それはいいです。彼女と一緒にいてあげてください。』



絞り出した声は泣きそうだ。



「気のあるふりしたならごめん。でも俺は美琴ちゃんは妹みたいで好きだった。」



もう…何も聞きたくない。



私が先輩に気があることちゃんと知ってたんだね。



今の先輩の言葉は“君の気持ちには応えられない”でしょ?




『私も日本にお兄ちゃんができたみたいで先輩が好きでしたよ。』



最後ぐらいさ……



強がってもいいじゃない。



“でしたよ”って過去形で嘘ついてもいいじゃない。




でも…なんで涙は止まらないんだろ。