向かいから3人家族が歩いて来る。



真ん中には美星くらいの男の子。


その子の右にはお母さん、左にはお父さんがいる。



子供と手を繋いでいて誰が見ても幸せ家族。



私は穏やかな顔をしてすれ違った。




「美琴……。」



すれ違い際に私の名前を呼ばれた。



振り返ると……神楽だった。




『ひ、久しぶり。』



私は驚きを隠せない。


何度会いたいと思ったか。




「あっ。妻の優花(ユカ)と息子の壮志(ソウシ)。」



優花さんは私に会釈をした。



「こっちは高校の頃の同級生の美琴。」



『はじめまして。』


私も優花さんに挨拶をした。