私は鞄からケータイを取り出した。



『もしもし!?お兄様?会社は大丈夫なの?』


すぐにお兄様にかけた。



「心配するな。親父が体調を急に崩してこっちもバタバタしてる。とにかく心配するなよ。」



早口で言われて電話が切れた。



パパが倒れた…?


きっと過労…。


それとも病気?!



「顔色悪いぞ…。ほら。」



杉浦は私の顔を覗きこんで手を差し出した。


私は黙ってその手を握った。



不安で…心配で…怖かった。




会社のこと、パパのこと…神楽のこと…。



全てが私を不安にしていく。




こんなとき神楽はどういう?


心配ないって頭を撫でるのよね。