「きゃあぁぁ、助けて王子!!タコがぁ」



只今、お姫様(俺)がタコに拐われています。



「はっはっ、お姫様は貰ったざんすよ」



「姫ぇぇえぇ!!」



何してんだ俺は……タコに拐われてる場合じゃないだろ。華ちゃんを探さなきゃいけないのに………。




―――………
―――――………



劇もそろそろ中盤に。


「さぁ、誓いのキスを」



また、タコの唇が俺に近づいてきた。



ガタン――……



その瞬間、大道具の海草が動いたのだ。




…………どうやら、俺のお姫様は探しに行かなくってもよさそうだ……ι



「うそ………ιヤバいよぉ………。」



劇の最中、海草から出てきたのは出てくる予定のない魔法使いだった……ι