「別に……たいしたこと……ないですから、心配しないでください。」



華ちゃんはいつも強がっている。



「うそ。ホントは怖かったんでしょ?……心配して欲しいんだろ?」



「そ、そんなことありませんよ……。」



そんなん、うそだよ。


手ぇ震えてる。



「華ちゃん……、もっと素直になっていいんだよ?ホントのこと言って?」



「なに言ってんですか……、あたしは、いつもホントのこと言ってますよ……?」



「うそ……なんでもっとわがままとか言ってくんないの!?華ちゃんの本当の気持ちをちゃんと言えよ!?俺、華ちゃんのこと………」



俺は華ちゃんの腕を掴みながら言った。



なに言ってんだろぉ……俺。



自分が華ちゃんを守れなかったから………悔しいんだ。




華ちゃんが大事だから、好きだから……本当のことが知りたいんだ。



「は…離して……」


華ちゃんが下を向きながら言った。


俺は言われた通りに腕を離した。



「な…んで…、なんで先輩にそんなこと言われなきゃなんですか!?」



華ちゃんが言った。
華ちゃんはいつもの冷静さを失っていた。