「華~、なにしてんの?遅いよ」



廊下から、麻耶の声が聞こえた。



「麻耶!!助けて!」



あたしが麻耶を呼んだら、麻耶は勢いよく被服室のドアを開けた。


バンッ――………



「華ッ!!ちょっと、華になにしてんの!?」



「ちっ」



彼は舌打ちをして走り去ってしまった。



「華、大丈夫?」



麻耶はあたしを抱きしめた。



「ひっく……ひっ…く……ふぇ~、麻耶ぁぁあぁ、怖かったよぉ………」



「よしよし……。怖かったね。ごめんね。華を一人で行かせて」



あたしは頭を横にふった。




あたしはただ泣いているだけだった。