教室に入ったら、麻耶が慌ててあたしの方に来た。


「華――――!大丈夫!?」



「うん。もぅ平気だよ。」



「そっか、よかったぁ。今度からちゃんと言ってね!?」



「ん……。ありがと」


麻耶は、ホントにいい子だ。



「で、蜂矢春人となんかあったぁ?」



麻耶はニヤニヤしながら聞いた。



「べ……別になんもないよ」



「へぇ~、怪しいなぁ」



「いやいや、なんもないですよ」



「華、あたし思ったんだけどさ。華を階段で押したのって、蜂矢春人のことが好きな子がやったんじゃないかなぁ」



麻耶は真剣な表情で言った。



「……え?でも、なんであたしを??」



「そりゃ、蜂矢春人が…………」



??



「なに?」



「やっぱいい、なんでもないやぁ」



「そぉ?」



キーンコーン


カーンコーン――………



午後の授業のチャイムが鳴ったので、あたし達は自分達の席へと戻っていった。