コンコン――……





「失礼しまーす」





俺は保健室のドアをノックして入った。




「どうしたの?」




保健室の先生が言った。ショートカットで丸い眼鏡をかけていて、中年の女性の優しそうな先生だった。




俺は、あまり保健室にお世話になっていないので先生の印象が薄い。





「あの、体育の授業の時に急に高宮さんが倒れてしまって」





「あらあら、高宮さんったらまた、栄養不足かなんかかしら?」





“また”ということは高宮さんはよく倒れるのか?





「そのまま、ベッドに寝かせてちょうだい」




「はい……」





俺は言われた通りに高宮さんをベッドまで運んで寝かせた。





「ありがとうね。もう、授業に戻って良いわよ。」





ニコッと保健室の先生は笑って言った。




また後で様子を見に来ようと思い、俺は保健室を出て、体育の授業へと戻った。