今日は1限目から体育の授業。しかも、男女混合の短距離走。




正直言って……ダルい。男女混合だと周りの女の子達がキャーキャー言ってくる。……まぁ、悪い気はしないけどね。






おっ!高宮さんではないか!!体育着もまた萌えますなァ。見とれてしまう……。



……すんません、自重しますね。




高宮さんはなんだか、フラフラしている。今でも倒れそうだ。大丈夫かな?




俺はハラハラしながら見ていたら、俺の走る番になってしまった。



「浪川くーん!頑張ってぇ!!」




女子達からの熱い声援に俺はニコッとする。



んー……。なんで、好きになって欲しい人には好きになってくれないの?俺が求めているのはキミだけなのに……。





「位置についてー……よーい、ドン!」




スタートの合図と一緒に俺は全力で走った。なぜか、いつもより風が気持ちよく感じた。



きっと、恋をしているからだ。恋をすると人は変わる。何もかもが美しく思える、新鮮に感じる。それをキミは俺に教えてくれた。






叶わない恋かもしれないが、俺はキミを好きになったことを後悔しない。キミを諦めない。





ゴールのラインに一番に踏み込んだ。




タイムは平均より全然速い。俺にとっては当たり前のことで。