俺がレティシアの肩に触れようと近付くと、
長老猫の太助が割って入ってきた。

「痛っ……!」

レティシアは引っ掻かれた手の甲を押さえ飛びのいて距離をとる。

「太助っ、どうしたんだよ!」

いつも落ち着いている太助が、狂ったようにレティシアを威嚇している。

「この、猫風情めが……!」

レティシアがキッと太助を睨む。

と、それに反応したように、突然地面が揺れ始めた。