「長老、相模を連れてきましたよー」

俺たちが簡易な家の中に入っていくと、長老・佐助は、いくらかグッタリとはしていたが、身を起こしてこちらを見つめた。

百花は、さりげなく俺が猫の佐助に近づきすぎないように位置どっている。

犬の王の恨みがあるせいか、佐助相手だと余計辛い。
風向きのためか少し鼻がムズムズするが、大丈夫だろう。

「長老、自分で話せる? あたしが通訳しましょうか?」

「にゃーん…」

ジャスミンが声をかけると、佐助はヨタヨタと立ち上がった。