「なーんだ、オニーサンが相模だったんだ。探す手間が省けたよ」

ジャスミンと名乗った女の子に連れられ、街の外れの猫の民の集落に向かう。

何か良からぬことでも起きたのかと思ったが、ジャスミンは随分余裕そうに見える。

ただの用事…? うーん…。

「格好悪いところお見せして…」

「ま、勇者ってんならあのくらいドーンと構えててもいーんじゃない?

あ、あと敬語じゃなくていいよ。オネーサンは、桜木の?」

「あっ、桜木百花っていいま…いうの」

「ふぅん、よろしくね、モモ」

「あ、俺は相模流之助。色々ありがとな」

「いーってことよ。お礼ならマタタビ貰ったし。
あとは長老の話を聞いてもらえれば、それで」