女の子が髪を掻き分けてみせると、確かに黒い猫の耳がついていた。 「そうだ、どうせだから聞いとこっかな〜。勇者の子孫の、……」 そこまで言って、女の子は俺をジロジロ値踏みするように見つめ始めた。 「あれっ…オニーサン、なんか見たことある顔してるな〜」 「ねえ、もしかしてあなたが探してる人って…」 「俺、だったりするか?」 ってことは、猫の民にも何か起きたんだろうか?