「……とまあ、そんな訳だ」

「どんな訳よ…。全然わかんないし」

俺が話を終えると、百花は本を閉じて眼鏡を外した。

俺の生命のかかった一大事だってのに本読んでる場合じゃねえだろ!

憤りつつ、なんとか冷静を保つ。

ここは百花の家、桜木邸。

つーか隣の家なんだが。

呪いやら魔法やらに詳しい魔術士の百花に話を聞きにきたわけだ。

「どこまで本当だかわからないけど、流之助の様子を見るに、猫アレルギーが出ただけじゃないの?」

百花は絶望の言葉を口にする……。