レティシアは、ハワードが差し出した杖を手に取って構えた。

「勇者の子孫、相模。そなたに『触れずの呪い』を与えよう。中立たる勇者として、争いを止められるものなら止めてみるがいい」

俺の足元に不思議な印が浮かび、光に包まれた。

「うわっ……!」

かろうじて太助を印の外に押し出したところで、強い風に巻き込まれる。

息が詰まって苦しい…!

「……行くぞハワード」

レティシアが、骨の竜の姿のハワードに乗ったのが目の端に映った。

「…呪いを解いて欲しくば、城に来るがいい」