小田切くんがキョトンと目を丸くする。
「小田切くん……好き」
口の中がしょっぱい味になった。
「助けてくれたのは……すごく嬉しいけど……殴っちゃ、だめだよ……っ。
小田切くん、退学に……なっちゃう……。
私、そんなのやだもん……。
小田切くんが、好きだから……小田切くんが、学校からいなくなっちゃったら……やだあ~」
「うわーん」って泣き出した私を見た小田切くんは、驚いたような表情になった。
すると次の瞬間、小田切くんは固くて温かい腕で私を抱き寄せた。
重なる心臓の鼓動。
ギューッて強く抱きしめられればられるほど、大きくなる胸の高鳴り。
「お前って……本当にバカ」
小田切くんが小さく呟いた。
「……悪かったな」
抱きしめられているせいで小田切くんの顔が見えない。
でも、小田切くんの心臓の音は聞こえる。
小田切くんの心臓、すごくうるさいよ……。
「小田切くん」
「あ?」
「私、小田切くんの女なの?」
「……」
返答がない。
「ねえ、私って小田切くんの彼女なの?」
「……」
またまた返答なし。
「ねえ、小田切くんってば!」
「だ───ッ!
うっせえな!」
小田切くんが私の制服の襟をグイッと引っ張った。
いきなりの出来事に抵抗出来なかった私は、簡単に小田切くんに抱き寄せられた。
そして突然の、強引なキス。
唇が離れると、目の前には真っ赤な小田切くんの顔。
「……何回も言っただろーが」
ねえ……落ち着いて、私の心臓。
そんなにうるさくしたら、小田切くんの声が聞こえないよ……。
「お前は俺の女に決まってんだろ……」

