私、赤ずきん。 ~狼さんに恋して~

 
「テメェら……俺の女になにしてんだよ」


……え?


低い声が聞こえたかと思ったら、次の瞬間バキッと何かが砕けるような音が響いた。


「俺の女に手ェだして、ただで済むと思ってんのか?」


聞き覚えのある、低い声……。


ギュッと閉じていた目を、ゆっくり開く。


「あ……あわわ……」


私にまたがっている男子の顔色がサーッと青ざめていった。


だって……。


「俺の女泣かせるなんて、いい度胸してんな」


だって……目の前には、今まで見たことないような、ものすごく怖い顔をして、鬼みたいな鋭い目つきで、男子を睨み付けている、小田切くんの姿があったから。


「覚悟はできてんだろーなァ……?」


小田切くんが手の骨をボキッボキッと鳴らす。


「あわ……わわわ……」


そして……。


「ぅぎゃあああああああああああああああ!!!」


バキッという鋭い音の後に、ホラー映画でよく聞くような激しい叫び声が響いた。


私にまたがっていた男子は肩を押さえて地面に倒れ込んだ。


すると、今度は小田切くんがその男子にまたがる。


「ハナが味わった痛み、テメェにも味わわせてやらァ」


「ヒ……!」


小田切くんが思いっきり拳を振り上げた。