「会えたら、嬉しいなあ……」
ポツリと呟いた私の声は、静かに風に溶ける。
放課後、私は1人校舎の裏に来ていた。
昨日、ヒナを見つけた大きな木の下で座り込む私。
私の体の何倍も、何十倍もある大きな木を見上げる。
「この木、登っちゃうなんてすごいなあ……」
昨日のことを思い出すと、また胸がきゅーってなる。
昨日はたまたまかもしれない。
昨日はたまたま通っただけかもしれない。
でも、バカな私は小さな期待を抱いて小田切くんを待っていた。
ここにいれば、今日も会えるかもしれない。
小田切くんが来てくれるかもしれない。
心のどこかでそう思ったんだ。
えへへ……小田切くんの言う通り、私ってバカだなあ。
でも、待つだけタダだしね。
だって、会いたいんだもん……。
小田切くんのことを考えながら、ぼーっと空を見上げていた。
そして、ちょうど1時間くらい経った頃、ゆっくり誰かが近付いてくる音が聞こえた。
……え!?
ま、まさか本当に……!?
私はバッと勢いよく顔を上げた。

