学校が冬休みに入って初日の朝、一本の電話が我が家に訪れた。当時一番の大親友からの、別れの電話だった。親友は、今日の昼前には出発する、ということと、今まで言い出せなくてごめん、なんてことを言っていたように思う。私は猛烈に抗議して、何やかんやらとわめきちらした挙句、受話器を投げ捨て、部屋に閉じこもった。何を聞いたのか、自分が何を言ったのか、よく覚えていないほどだった。
私は結局――見送りにはいかなかった。
私の心は、行くか行かないかで揺れていた。いや、私は行きたかったのだと思う。見送りに行って渡そうと思って、当時一番のお気に入りだったクマのキーホルダーを鞄から外し、机の上に置いたのだ。だけど、裏切られた、という感情や、自分でもよくわからないプライドが邪魔をして、私はついに、見送りに行くことはなかった。
それは十二時を回って、一時を過ぎた頃、もう出発してしまったであろう、絶望的な時刻になった頃から、私は恐ろしいほどの後悔の念に駆られることになる。どうして、なんで行かなかったのか。窓の外が暗くなっても、いつまで経っても、涙が枯れることはなかった。もう二度と、見送りに行くことは叶わないのだ。取り返しのつかないことをしてしまったのだ。私は一晩中泣き続けた。可哀相な自分の為に、涙を流した。
そして、その時の後悔の念は、今も尚、心の一番深いところに刻まれた傷として、じくじくと疼き続けている――
私は結局――見送りにはいかなかった。
私の心は、行くか行かないかで揺れていた。いや、私は行きたかったのだと思う。見送りに行って渡そうと思って、当時一番のお気に入りだったクマのキーホルダーを鞄から外し、机の上に置いたのだ。だけど、裏切られた、という感情や、自分でもよくわからないプライドが邪魔をして、私はついに、見送りに行くことはなかった。
それは十二時を回って、一時を過ぎた頃、もう出発してしまったであろう、絶望的な時刻になった頃から、私は恐ろしいほどの後悔の念に駆られることになる。どうして、なんで行かなかったのか。窓の外が暗くなっても、いつまで経っても、涙が枯れることはなかった。もう二度と、見送りに行くことは叶わないのだ。取り返しのつかないことをしてしまったのだ。私は一晩中泣き続けた。可哀相な自分の為に、涙を流した。
そして、その時の後悔の念は、今も尚、心の一番深いところに刻まれた傷として、じくじくと疼き続けている――

