「お母さん、用事出来たからちょっと行ってくるね」
靴を履きながら台所にいるお母さんに呼び掛ける
「え?そうなの?いってらっしゃい!」
「うん!!」
カチャ…
ドアを閉めてマフラーに手を掛けながら転ばないように走る
「ハアッ‥ハアッ」
それから何分か走って待ち合わせ場所のマックまで着いた
「まだ来てないか…」
吐く息が白い
「真白ー!」
ん?
声のする方に振り返った
「佳木さん…!」
手を振りながら走ってくる
それから佳木さんと少し会話をしていると第一シーンに出る人達が集まってきた
「先生…遅いなぁ‥ハア」
溜め息を吐いてハリセンをアスファルトに叩きつける佳木さん
嫌、めっちゃ目立ってますよそのハリセン!
怖いからっ!!!
「佳木さん!お、落ち着いて下さい…」
台本を持った女の子が佳木さんに手を置いた
「あ…!!」
佳木さんが声を上げてニコニコ笑みを浮かべている
視線を辿ると…いっくんがいた
『ごめんな…遅れた!』
そう言って苦笑いを浮かべながらこっちに来た


