『誰先に唄う?』
創也さんがニコニコしながらみんなに聞く
『お前先に唄えよ』
猛さんが爽健美茶を飲みながら言った
『沢田と真白ちゃんは唄いたい?』
その言葉にあたしの体はビクッと反応した
飲みかけていたオレンジジュースを吹き出しそうになる
「コホッ…ま、まだいいですので!杏は?」
「へッ!?あ、あたッしもまだ…!!」
杏の返事も変になる
ごめんよ…急に投げかけて…
だって、唄いたくないんだよ…あたしゃ(泣)
そう、あれは幼稚園生の時の発表会の出来事
あたしは一度も忘れたことがない…
あたし達ユリ組は発表会の日、合唱をすることになっていた……
「かーえーるぅのうーたーがぁ♪」
「はぁい!そこまで!よく出来たねぇ♪」
先生がニコニコと笑う
それに凄く嬉しかったあたし
あたしは毎日家の前で歌った
「ましろ!ご飯出来たよ?」
「はぁい!」
毎日こんな感じで時は流れた
そして発表会の日がきた
「さんはいっ」
先生の合図に従い歌い出す
途中までは上手くいっていたあたし


