Black world sky

 薄情な奴らだ。仲間を殺されて何とも思わずに自分達だけ逃げるのか。…そういう俺様も殺人を犯した身なのだが。

 俺は返り血が付いた剣を腰に挿し、さっきの少女を見た。


「あ…あわわ…」


 少女は尻餅をついてしまっている。まぁ俺様は殺人をしたし、体は返り血で汚れているからな。

 一回コイツに魔王の話を聞いてみるか。だが、あまり怖がられていては魔王の話を聞けない。まずは少女を落ち着かせよう。


「お前は殺さない。それだけは俺様のプライドにかけて保証しよう」

「は…はいぃ!」


 少女はかんでしまったようだ。笑いそうになるのをグッとこらえ、少女に向き合う。