Black world sky

 さっき女神から貰った剣を腰に挿し、鏡の中を進んで行く。

 鏡の中は全体が銀色の歪んだ世界になっていて、ジーッと見ていると頭が痛くなる。


「これが異次元空間ってヤツなのか…」


 そんな風に独り言を言いながら進んでいくと、やがて前方に白い穴が見えてきた。


「これは…」


 そこだけがまるで切り取られたかのようだった。


「少し穴を覗いてみるか…って!?」


 急に穴の中に吸い込まれていった。


「落ちるー!」


 今俺様は落下している。…頭が下になって。

 あぁ…このまま地面に着地したら頭が割れて脳みそはみ出て死ぬな…

 …いや、待て。さっき女神から教えてもらった呪文を唱えて違う異世界に行けば!


「テスティング!」


 喉の奥からそう叫んだ。助かる見込みは無いのだが、唱えた方が良いだろう。