「ママ、やっぱりまだ寒かったね」 「そうね」 まだ肌寒いけど、ちらほらとピンクの花びらがつき始めている木々の間を私は車椅子を弾きながら歩く。 「実桜、仕事どう?」 「うん・・・・・・先輩もいるし、やりがい感じてるんだ」 「よかったわね」 私は、司書の資格を取り、あらためて仕事に打ち込んでいる。 ママは上を向いて、嬉しそうに微笑んだ。 「花が咲いたら、薫ちゃんきっと喜ぶわよね」 「そうだね」 薫ちゃん。 チエとジュンの間に生まれた女の子。 時々、チエと一緒に会いに来てくれるんだ。