「元・・・これ・・・」
「はい。高校の桜の花の塩漬けを学食のおばちゃんにもらってきました」
あの・・・桜。
「これを俺に?」
「はい」
なんで、今これを俺に?
元の真意はわからなかったけど、俺は、一口グラスから喉に通した。
甘酸っぱい香りがふわっと口の中いっぱいに広がって、
そしてすぐに消えた。
「初恋の香り、です」
高校時代、ミオと笑ったりケンカしたり、
ふざけあったりしてたあの思い出が不意に心にこみ上げてきて、
俺は、手で顔をふさいでうつむいた。
涙がこぼれていくのが、気づかれないように・・・。

