少し遅れて雅が帰ってきた。
そういえば、雅の存在すら忘れてた。
けれど、そんな俺に構わない様子で、雅は
俺に笑いながら、
「ミオさん、元気そうだったわね。でも式にはこれないかも、って言ってたわ。残念ね」
って言ったんだ。
「そう」
つれなく返事をした俺の頭を引き寄せて、彼女は黙って唇をあわせた。
いつものように、感情が、顔から、手から足から抜けていくのが分かる。
俺はただ黙って彼女のしたいように身動きもせずにただ身を任せていた。
もう、どうでもいいんだ。
俺の役目は、雅と結婚して、二階堂の家を守ること。
・・・ただ、それだけ。

