「闇夜に浮かぶ魔を呼ぶ月よ。私達はあなたの前で永遠の愛を誓います」
私は彼の手に握らせると、自分の胸に彼の血を含んだ切っ先をあてがい、一気にを沈めていった。
深く、鋭く、身体を貫く熱。
痛みは感じなかった。
血だまりに横たわる愛しい者の腕の中に崩れ落ちる。
二人の血が一つに混ざり合い、永遠の鎖となる。
狂気を孕む愛が紅い月を輝かせる。
血だまりに映った魔月は、悲しみに染まり一層赤みを増していった。
ねえ、お月様 見ていてくれた?
――私は…とても幸せよ
+++ 魔月の内緒話 Fin +++
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