彼は優しい男性(ひと)だから、私の我が儘を許してくれたの。

彼は寂しがりやだから、これ以上待つことはできないと言ったの。

彼が悪かったんじゃないの。

私が我が儘だったの。


だけど、別れてすぐに後悔したわ。

彼という存在を失って、世界は闇に包まれた。

失うまで気付かなかったって、本当にバカよね?

仕事も夢も、彼という光がなければ、こんなにも色あせてしまのだと、初めて知ったわ。

花は太陽の下でこそ、色鮮やかに咲くのだと…

木々は月の光の下では、こんなにも寂しげなのだと…

今更ながらに思い知ったの。


彼が許してくれるなら、もう一度やり直したいの。

私達、お互いに嫌いで別れた訳じゃないもの。

きっと、今ならまだ間に合うわよね?

彼はまだ、私の事想っていてくれるよね?

彼はまだ、私の事愛しているよね?


今度は迷わず一緒に行くって答えるわ。

今度はきっと幸せになるわ。


ねぇ、お月様

私達の事、見守っていてね。

あの日のように…