空が金色の太陽をつれてくる頃、茜色をした空に茜の魂は還っていった。

俺の心の叫びも

悲しみも

苦しみも

茜を繋ぎとめることはできなかった。

涙が幾筋も流れ、頬を伝った。


顔を上げると鏡に映る自分をじっと見つめている見覚えのある瞳がそこにあった。


『私の瞳と共に私の生きられなかった分まで生きてね』


茜のあの言葉の意味をやっと理解する。


角膜を提供してくれたのは茜だったんだ。



俺は何もしてあげられなかったな、茜。

約束するよ。お前のこの瞳と共に精一杯生きるよ。

それが俺に出来る唯一のお前への愛情だ。

約束するよ。

この瞳と共に、お前の分まで生きて幸せになることを…。