それが茜との最後の日だった。 茜は次の日の夜明けと共にこの世を去った。 俺に挨拶もなしに… 俺に看取られることもなく… 失意の底にいる俺に医者が手術の話を持ってきた。 俺の目は実は失明しているとその時初めて聞かされた。 茜のことで頭がいっぱいだった俺は、自分の事なんて何も考えていなかった。 角膜提供者がいるので出来ればすぐにでも手術をしようと言われ、事態を飲み込むことも、茜の死を受け入れる事も、何も出来ないままに手術の手続きが取られた。