病院を出た空は真っ青で雲がまだ、夏の名残を残していた。 茜と過ごした夏の思い出が一気に胸に押し寄せてきて、知らず知らず涙が溢れてくる。 茜、来年もこの空を一緒に見ることは俺たちには叶わないことなのか? 茜が入院している病室の辺りを見上げる。 ぼんやりと考え事をしていたから気が付くのが遅れた。 俺の後ろから、居眠り運転の車が歩道を乗り上げ、突っ込んできたことに。