だが俺より年上で人気もあった彼女は、俺なんかより相応しいと思える男からしょっちゅう告白をされていた。

それは俺の嫉妬心を煽り、彼女への激しい想いはやがて鎖となり、徐々に彼女を束縛し心を蝕んでいった。

彼女には俺だけが居ればいい。

彼女は俺だけを見ていればいい。

他の男と話すことも無く、誰とも接する事無く…

俺だけを見て、俺だけのために生きて欲しいと望むようになっていった。

やがて彼女は俺が嫌いな色の服を着なくなった。

俺のバイトが休みの日とピアノのレッスンが重なるのを嫌がると、彼女は17年習っていたピアノをやめた。

サークルの男に告白されたと聞いて、サークルへいくことを禁じたら、サークルもやめた。

彼女の世界がどんどん狭くなり、友達も少なくなっていくこと、心配するどころかむしろ、全て俺の為であるという事実を喜んでいた。

彼女をがんじがらめに束縛しすることで満足し、俺だけを見てくれることで安心していた。