私の名前はサチコ。

最近の世間では、
某有名漫画の影響で、
嫌な女の代表格の名前になった、
サチコっていう。


小さい頃から、
勉強一筋。
自分で言うのもなんだけど、
学級委員や、生徒会を一通り経験するほどの優等生。


だった。


そう過去形。


高校だって地元では1番賢い学校に行ったし、
それが続くと思ってた。

でも、
高校に入ってから、
私は変わった。

初めて恋愛をしった。
のめりこんだ。

泣いて、笑って、
また泣いて。

そんな恋愛を繰り返し、
気がつけば、
ボロボロになっていて賢い高校だからこそ、
少し勉強しないだけで劣等生へと転がりこんだ。

卒業する時、
何もない自分に気がついた。


好きだ嫌いだを繰り返すだけ繰り返して、
結局、あんなに勉強していたのに、
高校のたった3年で、
恋愛のあれこれに夢中になって、それを0にしてしまったこと。

これではダメだ。

卒業して、
予備校に行くことを決めた。

でも、決定的な物がなかった。
お金。

いつも親が当たり前に出してくれていたお金だったけど、
自分の家はそんなに、
裕福じゃないことに気がついた。


勉強がしたい。

賢い学校に行った私だけど、
私、本当はバカなんだと思う。


ただ勉強したい一心で、
お金を稼ぐため、
親に内緒で、夜の仕事を始めることにした。

それが、私、幸子の、
夜の仕事へのデビューだった。