ムスッとした顔をして戻ってきた私に
「あら,何を話してきたの?」
と頬杖をつきながら興味あり気にきいてくる美砂。
「あいつ…心配して損したっ!!親戚のおばちゃんの3回忌で学校休んでたんだって!!
私よりケロッとしちゃって……こっちの方が恥ずかしかったよ!!」
今思い出しても恥ずかしい。
顔から火が出そうだ。
「しおり,それ,嘘だよ。」
「えっ!?」
言われた意味がよくわからなかった。
「小早川,3回忌だなんて嘘ついてる。私,つよしとメールしてて聞いたんだけど,小早川,相当落ち込んでて学校来れないって。小早川,頑張ってしおりを忘れようとしても,無理だ,って苦しんでた,って。」
つよし,とは美砂の彼氏。小早川とは去年同じクラスで仲がいいみたい。
「嘘……そうだったんだ…あいつ嘘までついて……」
何か申し訳なくなった。
あんなに強がって…。
「私,どうしたらいいんだろう…。」
「しおりのせいじゃないよ。だから,しおりは今まで通り,普通に小早川に接してあげるのが小早川は1番嬉しいんじゃないかな?」
美砂は私の悩みに真剣に答えてくれた。
「そっか……そうだよね…」
胸の中のわだかまりが,すこし,ほどけた。
やっぱり美砂はすごいよ。
美砂…本当にありがとう。
美砂と友達になれて本当に,良かった。


