「……ん……さん……らぎさん……ぃらぎさん……ひいらぎさん……」
気付くと,もう外に出ており,技師さんが私の体を揺らしていた。
「柊さん,大丈夫ですか?もう,終わりましたからね,お疲れ様。
少し長引いちゃったみたいです,ごめんね。でもしっかりとれたから,また取れたら成田整形外科さんの方にお送りしておくんでね。大体1週間位経ってからかな~?」
そういいながら,固定していたクッションを手際よく外している。
「分かりました…有難うございます…」
そうはいったけど上の空。
……やっちゃったよ…私…
あちゃ~だよ。
今日まで期末テストであんまり寝てなかったからついつい寝ちゃってたよ…。
あ~恥ずかしいッ!!
何か恥ずかしいことばっかりだよ…。
全部クッションを外してもらってから,
有難うございました,
とお礼を言って
MRI室を後にした。
よだれ,でてなかったかな?
寝言,言ってなかったかな?
初めてのMRI室には
恥ずかしく,苦い思い出が残った。


