さっきエビぞりになったり,丸まったりして撮ったレントゲンが,
カマキリ先生のデスクの上に貼られている。
レントゲン下の蛍光灯が不気味に光り,レントゲンとカマキリ先生の顔をぼんやりと照らす。
照らされたカマキリ先生の顔は余計に迫力を増していた。
その顔をちらとこちらにむけて
ぼそぼそと喋り出した。
「ん~レントゲンを見た限りは…以上はないですね~…
少し腰骨が飛び出して,腰痛の要因を生み出してますが,これは足の痛みとは関係ないでしょう。」
カマキリ先生は眼鏡を外してう―んと伸びをした。
「どうです?この際,はっきりさせたいならレントゲンでは写らない筋肉組織の部分を写真で撮るMRIを受けてみては。
少々高額になりますがねぇ,原因を突き止めるにはいいかもしれませんねぇ。」
母と私は顔を見合わせて頷いた。
「先生,MRIお願いします。」


