カチャ 部屋のドアが開いて,もう日が落ちて暗くなった部屋に,廊下の蛍光灯の光が差し込んだ。 「柊さん…まだいたの…?!」 先生は目を丸くして驚いていた。 「先生……?」 声のした方へそろそろと顔を上げた。 そして、咄嗟に、残っているであろう涙の跡を拭った。 みっともない姿なんか見られたくない。 椅子から立ち上がったその瞬間……