いや…?待てよ…!?







この前ぶつかった人なんじゃない!?







単なる尾上先生激似の人なんじゃない?






実は尾上先生は双子で,これが双子の弟…とか!?





兄弟揃って医者かあ~…


勝手な妄想に花を咲かせる。








「…もしもし?聞いてます?」


半ば諦め顔で,いつのまにやら近くまできていて,
ぐっ,と顔を近づけてきた。







やゃ…っヤバい…!!!

この顔が火照る感じ。

心拍数の上がる感じ…







あの時と同じ…


あの時のまま…







きっと…尾上先生に違いない。

私の,好きな人。



私の,愛する人。







ちらと,先生の名札に目を落とした。









「尾上大輔……」







やっぱりそうだ。



やっぱり,尾上先生だったんだ…

あのぶつかった人も…







「そっ。俺は尾上大輔だけど?」

そう言って首を傾げた。








ついに…
ついに来たんだ。
この日が。







どんなにこの日を待ちわびて,
願ったことか…。







あなたに再び出逢える,
この日の為に,生きてきた。