寝転がっているベッドが上にそのまま上昇する。
荻田先生の処置のしやすい高さまで,看護士さんが上げて調整したのだ。
「じゃあ…ガーゼ外すよ…」
そういって,ガーゼを外しだした。
ガーゼを外すのは痛い。
だから,目を固く閉じてその時が終わるのをただひたすら待ち続けた。
「ほら~!綺麗に治ってるよ~!!」
そういって,子どものような笑顔を浮かべる荻田先生。
「じゃあ…ちょっとテープ外していくよ…」
と言って,ピンセットを取り出した。
一つずつ,
ピリッ,
ピリッ,
ピリッ,
とテープを外していく。
およそ15枚ほどのテープを剥がしただろうか。
私は傷の周りにテープが貼られていて,それを剥がされているのだろうと思っていた。
「はい,もう降りていいよ。」
そういって,ベッドを元の高さまで下げてくれた。
またガーゼを貼ると思っていた私には予想外だった。


