―――じめじめとした暑さも徐々に和らいできて,カラッと晴れた青空が広がる――。
今日は昼から車に乗って,思い出の地――そう,あの病院に向かっている。
見慣れた受付に,
見慣れた病院のデザイン。
今日も劣らず,ガラス張りの窓から光がさんさんと降り注いでいる。
上を見上げると,白いアーケード状になっていて,開放的なイメージを与える。
整形外科の待合室に座り,順番を待つ。
点滴の棒を転がしていたパジャマの人を見ると,自分と重ね合わせた。
私はもう,退院したんだ。
私にもあんな時があったけど,もう,過去なんだね。
改めて,ずしんと心が重くなった。
昔なんか入院なんか絶対したくないと思ってたのに…


