荷造りも終え,旅立ちの時。 この病院とも,いざ別れの時。 思い出と荷物の沢山詰まった鞄を,足を引きずりながら着実に1歩ずつ,デイルームへ運ぶ。 綺麗なベッド。 空っぽのタンス。 私が初めてこの病院に来た時と同じ,真新しい状態。 また新しい人がここに来るんだね…。 ベッドのシーツを替えに,おばさんがやってきた。 あの,お花をくれたお姉さんに,挨拶をして, 本当に沢山,沢山思い出の詰まった部屋を,あとにした。