何日ぶりだろう…
すごく長い間会っていなかったような気がする。
やっと…会えた…
やっと…。
「じゃあ,ガーゼ換えますね。」
傷口に冷たい感触。
まだやっぱり痛い。
「綺麗に治ってますよ。ほら。」
そういって,今まで貼っていたガーゼを見せた。
血も,組織液もついておらず,きれいに治っていることを意味していた。
嬉しい事だけど,それは先生と私の別れを意味する。
ついにこの時が来たんだ…。
「まだ,入院したい?」
先生が甘い声でガーゼを貼りながら聞いてきた。
ガーゼも大分小さいものになった。
そりゃ,したいよ?
まだ痛いし,この病院気に入ってるし,何よりも別れたくない。
でも,強がりな私は素直になれず
本心を見せたくなく
「いえ…まあどちらでも…」
と言ってしまった。
「そうですか。…外科の方がベッドがいっぱいでね…申し訳ないけど,今日退院してもらってこれから通院になります。」
先生の口から直接聞いた『退院』の言葉。
揺るぎない真実なんだね…
もし,整形外科の病棟にいたらもっと…いれたのかな…


