腕に出来た,沢山の注射の跡,採血の後の腕のあざをまじまじと眺めた。


本当に,痛い目にあったんだなあ,って。


よく耐えたなあ,って。







でもこれから一番痛い痛みに耐えなくちゃなんない。







先生との別れ。







筋肉を切り取られるよりも,もっと痛い。

胸の中をえぐられるような,
胸をギュッ,と締め付けられるような,
息のできない思い。痛み。







これに私は…たえられるかな…?








ガラッ







「おはようございます。」







声の主は…







「せんせ…」







尾上先生だった。