何だか周りが騒がしい。
でも目を開けるので精一杯。
開けてもぼんやりとしか分からない。
何かあったのかな…。
すると,さっき採血した看護士さんが走ってきた。
「ごめんね,さっき採血しようと針さしたけど,血管が細くなってて,とれないんだ。もう1回刺していいかな?」
私はコクリ,と頷いた。
もう,何でもいい…。
何回かさしたみたいだけど,結局採れなかったみたい。
手は駄目で,今度は足にもしているようだ。
その度に,
ごめんね,辛いね,
と言ってくれる看護士さん。
でも正直,頭がふらふらで,意識があまりない。
だから,何とか必死に,「大丈夫です!」と答えた。
きっと,手足合わせて分かる限りでは5回は刺された。
でも,まだ駄目みたい。
「ちょっと,右腕はもう無理だから,左腕で採りたいんだけど点滴してるから,本当は駄目なんだ。だから良いかどうか先生に聞いてくるね。」
そういって看護士さんはまた走っていった。
何だか荻田先生とお母さんが話している声が聞こえる様な気がする。
私…どうなっちゃうんだろ…
ここ,どこなんだろ…?
人は死ぬ時眠くなるっていうけど,こんな感じなのかな。
こんな感じで,目が閉じていくのかな…。
もはや今自分がどんな格好をしていて,
誰と一緒で……
全く分からない…
ここ,もう手術室出たのかな…?


