「教授、お手伝いすることは ありませんか?」 そっと声をかけると、教授は 眼鏡の奥で視線を少し上げて、 『有難う。今のところないな。 明日に備えて帰りなさい。』 と仰有った。 お言葉に甘えて、お先に失礼 させて戴くことに、最寄りの 地下鉄駅へ向かう。 構内に降り、ふとコンビニで 足が止まる。 各務君の後ろ姿が見えたから。