夏恋~君といたNatu~


たったそんなことでドキドキしてしまうなんて、恋愛経験0丸だしじゃない。
バカみたいじゃん、あたし。

ー応お礼ぐらいは言っておいたほうがいいよね。
心配してくれてたし。

「ありがとうございました。」

ペコ、と軽く頭を下げた。

「もう平気なんで…。」
「その制服って、もしかして…。ラン高の生徒だったりする?」
「そうですけど…?」
「やっぱり。実は俺もそこの生徒なんだよー。」
「うそっ!そうなんですか!?」

まさかこんなカッコイイ人がうちの生徒だったとは…。
うちの学校にもこんなイケメン(死語)がいたとは驚きだ。

「うん。最近は全然学校には行ってないけど。」
「どうして?」
「小さい頃から俺、体が弱くてさ。しょっちゅう喘息とか発作とかおこしてたんだよ。この頃はほんとひどくて、まともに学校に行ける状態じゃなくて。」
「そうだったんですか…。」

人は見かけによらないものだと思った。
どうみたってこの男子はいたって元気そうに見えるのに。まともに学校もいけないなんて…。

「だから学校の友達とか少なくて。ノート貸りるのも毎回同じ奴。そいつには本当感謝してんだわ。」

そういってはにかんだ笑顔の奥にはどことなく寂しい想いがかくれているような気がした。

その顔をみると胸がギュッとなった。
誰かに対してこんなに悲しく想うことなんてしたことがなかった。ましてや助けてあげたい、力になりたいとも。

「そういえば、君はなんでこんなとこにいるの?もうすぐHRはじまるんじゃない?」
「あぁ!!すっかり忘れてたぁーー!!!;;」
「あれま。」