ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ･･･

AM7：00にｾｯﾄしていおいた目覚し時計が鳴り響いた。
窓から差しこむ太陽の光でうっすらと瞼を開けると、私の目に入りこんだのはﾑｶつくほど雲一つないすがすがしい青空だった。
ﾑｸｯと身体を起こすと、未だ鳴り響いている目覚し時計のｱﾗｰﾑを止めた。

ふとﾍﾞﾗﾝﾀﾞを見ると、仲睦まじくお互いの身を寄せあっている2羽のﾊﾄがあたしのほうをじーっとみつめｸﾙｯｸｰと鳴いた。
まるで彼氏のいない私をあざ笑っているかのようだ。


「…みせつけか。」


と、そんな場合ではなかった。
早く学校の準備をしないとまた父さんにｶﾞﾐｶﾞﾐ説教されてしまう。
それだけはどうしても避けたい。
朝から憂うつな気持ちでﾊﾟｼﾞｬﾏを脱ぎ、着慣れた制服に腕を通す。
ちゃんとﾘﾎﾞﾝも付け、等身大の鏡の前に立ち寝ぐせをﾁｪｯｸする。

「ん。寝ぐせはついてない、っと。」

髪の毛のﾁｪｯｸも終わり、鞄の内に必要なものだけを入れていく。
全部のことが一通り終わって、あとは下に行って洗顔と歯みがきをするだけ。
そのあとは…。
また一人で朝ご飯かな。
父さんはいつもこの家を6：30には出るから。母さんは9：00過ぎにならないと朝ご飯を食べないみたいだし。
結局、朝ご飯も晩ご飯も一人ぽっち。
別にさみしくはないけどね。

「はぁ…。」

一つため息を吐いてから一階へ下りていった。
台所には食器を洗らっている母さんの姿がみえた。あたしは思わず、洗面所の方に足が向いてしまっていた。
なんとなく顔を合わせるのが気まずい感じ。
べつに悪いことをしたわけでもないのに…。
そんなﾓﾔﾓﾔした気持ちを振り払うかのように私は無我夢中で顏を洗った。

「冷た…。」