金色の花

「味方を呼んで参ります」

意図を察した従者が、カイルに目配せして駆け去った。

まるでその時を待っていたかのように、1人残された少年の前で、鈍い音をたてて扉が開く。

扉の向こうには、若い女が立っていた。

宮廷付きの侍女のものと思われる地味な灰色のドレスは、あちこちが破れ、血で汚れていた。