金色の花

「少しは逃げるなり、よけるなり、なさったらどうですか!!」

「めんどうくさい」

少年の言葉に、従者は目を吊り上げた。

灰色のドレスの女は、うつぶせに倒れたまま、動かない。

その場を去ると見せかけて、物陰に身を潜めていた従者が射った矢は、あやまつことなく女の胸を貫いていた。